2012年10月12日

復興特別所得税に伴う源泉所得税

源泉所得税というと、サラリーマンの給料から天引きされるものが最も身近ですが、法人や事業主が、税理士や弁護士、司法書士など(作家やデザイナー、プロスポーツ選手なども対象になります。)に報酬を支払った場合にも、源泉所得税の徴収義務が課されます。

 

この場合の源泉所得税は、10%や20%といった切りの良い税率だったので、例えば10,000円の報酬だったら、1,000円を天引きして9,000円支払う、といった形で処理できました。事務体制の整っていない零細企業さんにとっては、これだけでも面倒な作業だったのですが、復興特別所得税の創設(私の業務日誌では、7月13日にご紹介しています。)に伴って、「今までの税率に2.1%を上乗せして源泉徴収しなさい。」ということになってしまいました。期間は平成25年から平成49年の25年間です。

 

先程の例で計算すると、1,000円+1,000円×2.1%=1,021円が源泉所得税ですから、これを天引きして、10,000円-1,021円=8,979円を支払うことになります。いかがでしょうか・・・。

 

計算は面倒になるし、一円単位のお金をやり取りするのも大変だし、間違いも頻発するでしょうから、それを調べて修正するのにも手間がかかります。日本全国で25年間こんなことをやって、一体どれだけの経済的損失が出るのかを考えると、「うーん・・・。」と思ってしまいます。

 

制度を考える人は、「理屈」を優先させざるを得ないのでしょうが、「現場の実情」をもう少し考慮できないものでしょうか。平成25年以降、この制度がどのように影響するのか、注視して行きたいと思っています。

 

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